『GONIN』の衝撃から数年。
正直、最初は「続編いけるんか?」って思った人も多かったんちゃうかな。
でも観終わって思った。
これは“男のGONIN”の続きやなくて、“女のGONIN”やった。
暴力も、復讐も、孤独も、
より静かで、より深く、心に沈んでくる作品やった。
緒形拳(緒方拳)という役者の凄み
まず触れたいのは、緒形拳。
この人、ほんまに「なんでもできる役者」やと思う。
怖い役、優しい役、狂気をはらんだ役、
どれも「演じてる感」がない。
GONIN2でもそう。
セリフ少なめやのに、立ってるだけで物語が進む感じ。
👉「この人がそこにおる」
それだけで画が締まる。
若い役者がどれだけ頑張っても、
こういう“積み重ねの重み”は簡単には出せへんよな。
喜多嶋舞(喜多島まい)の存在感
懐かしさも込みでグッときたのが、喜多嶋舞。
90年代独特の、
どこか危うくて、透明で、壊れそうな雰囲気。
今の時代やと成立しにくい空気感かもしれんけど、
この映画の世界観にはドンピシャやった。
「守られる存在」でもなく
「強い女」でもない
ただ、傷を抱えた人間としてそこにおる感じ。
それがリアルやった。
大竹しのぶは、やっぱり別格
そしてやっぱりこの人。
大竹しのぶ。
もうね、
「演技がうまい」とかいう次元ちゃう。
怖いのは、
👉 叫ばん
👉 感情を爆発させすぎへん
👉 それでも伝わってくる
人間の奥底にある、
言葉にできへん“狂気”や“悲しみ”を
そのまま差し出してくる感じ。
観ててしんどいのに、目が離せへん。
「あぁ、日本映画ってまだこんな芝居できる人おるんや…」
って素直に思った。
GONIN2が描いたもの
GONINが
**「男の暴力と破滅」**やとしたら、
GONIN2は
**「女の悲しみと連鎖」**やと思う。
誰かに傷つけられた人が
別の誰かを傷つけてしまう。
復讐はスカッとせえへんし、
救いもわかりやすくは来ない。
でもそれがリアル。
観終わって残った感情
正直、爽快感はない。
でも、後に残る。
・人の恨みはどこへ行くんやろ
・痛みは誰が引き受けるんやろ
・生き延びるって、なんなんやろ
そんなことを、
静かに考えさせられる映画やった。
印象に残ったシーンについて
個人的にちょっとクスッときたのが、大竹しのぶがセーラー服姿で登場するところ。
「え、ここからどう話転ぶん?」って一瞬空気が変わる感じがあって、
この映画がただの復讐劇やないっていう予感を持たせてくれる導入やったと思う。
違和感があるのに、ちゃんと物語の流れに飲み込まれていくのが不思議やねんな。
あと、印象的やったのが喜多嶋舞が捕まった後のシーン。
裸という無防備な状況やのに、逆にそれを使って監視役の男を色で攻めて、
その“作戦”に相手がまんまと引っかかってしまう流れ。
そのあと、ライトに照らし出されながら
喜多嶋舞がシャワーを浴びるシーンがあるんやけど、
いやらしさよりも「覚悟」とか「開き直り」みたいなものが前に出てて、
めちゃくちゃかっこよかった。
弱さをさらけ出しながら、
同時に主導権を取り返していく感じ。
GONIN2って、
こういう「力関係が一瞬でひっくり返る場面」の見せ方がうまい映画やと思う。
このシャワーのシーンは、
物語の流れ的にも感情的にも印象に残るので、
個人的におすすめのシーンです。
【他にもこんなところが見どころです】
GONIN2のええところは、派手なアクションや暴力だけやなくて、
登場人物それぞれの「立場」と「覚悟」がちゃんと描かれてるところやと思うねん。
誰かが正義で、誰かが悪、
そんな単純な線引きやない。
みんなそれぞれの事情と、生き方を背負って動いてる。
特に印象的なんは、
「もう後戻りできへん」とわかってからの行動。
セリフは少ないのに、表情や間(ま)で全部伝わってくる。
このへんは、90年代映画ならではの空気感やなぁと思う。
それから、音楽と映像の使い方もええ。
過剰に感情を煽らへんのに、
気づいたら胸の奥がザワッとする。
静かな場面ほど不気味で、
何も起こってへん時間が逆に怖い。
あと、GONIN2は
「女が守られる存在」やなくて、
女もまた“選んで進む存在”として描かれてるのがええねん。
弱さも、強さも、したたかさも全部含めて人間。
そこがこの映画の大人っぽさやと思う。
それに、
一発逆転とか、都合のええ奇跡は起きへん。
うまくいったとしても、必ず代償がある。
その現実の重さが、
観終わったあとにじわっと残るんよな。
派手さだけを求めたら合わへん人もおるかもしれん。
でも、
「人間の業(ごう)」とか
「選んでしまった人生」みたいなもんに惹かれる人には、
かなり刺さる一本やと思う。