映画『なれない二人』ネタバレ感想
ふわふわしてるのに、他人事じゃないロードムービー
正直、観終わった直後は
「面白かった…のかな?」
「よくできてるけど、なんか不思議な映画やったな」
そんな感想が一番近かった。
でも時間が経つにつれて、
じわじわと引っかかってくるタイプの映画やと思う。
お笑いグランプリを目指す“なれない二人”
物語は、お笑いグランプリ出場を決めた二人の男から始まる。
ところが、ある事情で相方が突然いなくなり、
物語は一気に予測不能な方向へ流れていく。
いわゆる
成功を目指す青春お笑い映画
とは少し違う。
夢を追いかける話ではあるけど、
そこには
貧困、DV、認知症、高齢者問題など、
社会が抱えている重たいテーマが
さりげなく、でも確実に織り込まれている。
観ている最中はそこまで強く意識しないのに、
後から
「あれ、これ他人事ちゃうな…」
と気づかされる。
タイトルの意味は“一組”じゃなかった
オープニングの時点で
「なれない二人=このコンビのことやろな」
と察した気になっていた。
でも観ていくと、
この映画に出てくるのは
いろんな“二人”。
・コンビ
・親と子
・恋人
・高齢者と介護する側
「グループの最小単位は二人」
そんな言葉が頭に浮かぶ。
二人いるだけで、
関係性も、温度も、重さも全然違う。
この映画は
“コンビ映画”というより
二人という関係性の映画
やった気がする。
空気は軽いのに、扱ってるものは重い
起こる出来事は決して軽くない。
それなのに、
映画全体の空気感はどこか間の抜けた感じで、
夢の中を漂っているよう。
このアンバランスさが
好きな人には刺さるし、
苦手な人には「どっちつかず」に感じると思う。
コメディなのか、
シリアスなのか。
途中途中、
「今どんな感情で観たらいいんやろ?」
と迷う瞬間も正直あった。
ただ、後半になるにつれて
その空気感に慣れてきて、
気づいたら最後まで観れていた。
役者陣がかなり良い
主演と相方役、どちらも良かった。
特に印象的だったのが
サスペンダーズ古川さん。
終始、目がちょっと据わってる感じが
不穏さと可笑しさを同時に出していて、
かなり好きな存在感やった。
泉澤祐希さんは、
ふわっとした世界観の中でも
シリアスさをしっかり支えていて安心感がある。
個人的には
『表参道高校合唱部!』の真面目な部長役の印象が強かったので、
この作品での姿も新鮮やった。
高田里穂さんとの共演シーンは、
完全に個人的な意味で眼福。
お笑い映画が苦手な人の気持ちもわかる
実は自分も、
お笑い芸人を題材にした映画や小説は
あまり得意じゃない。
劇中漫才で笑えたためしも正直少ない。
「笑いに呑みこまれてしまった人」
「売れない現実と向き合う人」
それを見るのが、
ちょっとしんどいからかもしれない。
そういう意味では、
おまんじゅうパートの方が
心穏やかに観れた。
おじいちゃんの素人っぽさも
逆にリアルで良かったし、
あの“三万円”の違和感も含めて
妙に印象に残っている。
好き嫌いは分かれる。でも嫌いになれない
正直言うと、
「めちゃくちゃハマった!」
という感じではない。
短編映画特有の
モヤモヤも残るし、
明確なメッセージがあるわけでもない。
テンポも決して良いとは言えず、
少し長く感じる人もいると思う。
でも、
なんとなく覚えてる。
なんとなく引っかかってる。
そんな映画。
まとめ
『なれない二人』は、
ふわふわしていて、
シュールで、
どこか掴みどころのない映画。
でもその曖昧さこそが、
この映画の空気感であり魅力なのかもしれない。
夢を追う話でもあり、
社会の片隅の話でもあり、
二人という関係性の話でもある。
「わかりやすい映画」を求めると合わない。
でも、
静かに余韻が残る映画を探しているなら、
一度触れてみてもいい作品やと思う。
余談|高田里穂さんが綺麗すぎた件
人妻役の高田里穂さん、
普通にめちゃくちゃ綺麗やった。
正直な話、
男としてはあれは放っておけへん。
物語上は「関わったらアカンやつ」やし、
理屈では分かってる。
分かってるけど――
美人やから余計に放っておけない。
これ、ほんまに男のバグやと思う。
もしこれが
・めちゃくちゃ普通の人
・もしくは全然タイプじゃない人
やったら、
たぶん「うん、そういう事情ね」で
秒速で距離取ってる。
でも、
綺麗で、ちょっと影があって、
しかも弱ってる。
はい、アウト。
男って、
「理性」より先に
「何かしてあげなあかんスイッチ」
入ってまう生き物やと思う。
しかも後から
「いや、俺はそんな下心ちゃうし」
とか言い訳するまでがワンセット。
…しょうがないよな。
ほんまに。
この映画、
そんな男のどうしようもなさも
さりげなく映してた気がする。
笑いながら観てたけど、
ちょっとだけ
「うわ、わかるわ…」
って思ってしまったのは内緒や。